この教材の学習目標

読み終えたら、できること。

  • 標本化・量子化・符号化の違いを説明できる
  • 条件と単位をそろえて、無圧縮音声のデータ量を計算できる

読む前に:1バイト=8ビット、k(キロ)=1,000を確認しましょう。

この教材の目次

身近な「なぜ?」から。

スマートフォンで同じ長さを録音しても、設定によって容量が変わるのはなぜでしょう。1秒間に記録する標本の数と、1個の標本を表す量を分けて考えると説明できます。

アプリ収録の単元図解

まず、図で全体像をつかもう。

「情報1」アプリの「データ量の計算」の図解。画像を加工せず、そのまま掲載しています。

図は複数メディアの概要です。音声の計算式は無圧縮の条件で使います。文字のバイト数は文字コードで異なり、英数字や日本語が常に同じバイト数になるわけではありません。

01まずは、3つだけ。

標本化は「いつ測るか」。時間を区切ります。

量子化は「どの値にするか」。有限の段階に対応させます。

符号化で、その番号などを0と1で表します。

02時間と値、別々に区切る。

音の信号は連続的に変わります。コンピュータで扱うために、まず一定の間隔で値を取り出し、決められた段階に対応させます。

標本化のイメージ
オレンジの点が、一定の時間間隔で取り出した値。横軸は時間です。
8,000 Hz

1秒間に8,000回、値を取り出す。

8 bit

1つの標本を8ビットで表す。符号は256種類。

標本化周波数は、音の高さの周波数とは別の量です。「信号を1秒に何回測るか」と考えましょう。

量子化の細かさを、数で考える。

1つの標本を2ビットで表すなら、使える符号は00・01・10・11の4種類。3ビットなら8種類です。表せる段階は「ビット数×2」ではなく、2のビット数乗になります。

標本化周波数を2倍にすると、同じ時間内の標本が2倍になります。量子化ビット数を2倍にすると、1標本のビット数は2倍ですが、表せる段階の数は単純な2倍にはなりません。

03公式は「1個の量 × 個数」。

無圧縮のPCM音声で、管理情報を含めない場合の基本式です。

データ量[ビット]標本化周波数 × 量子化ビット数
× チャンネル数 × 秒数
バイト数にするには、最後に ÷ 8

モノラルは1チャンネル、ステレオは2チャンネル。例えば8,000 Hz・8 bit・モノラルを10秒記録すると、

8,000 × 8 × 1 × 10 = 640,000 bit

640,000 ÷ 8 = 80,000バイト

TRY IT

条件を変えて、確かめよう。

無圧縮PCM・管理情報なし。1 MB = 1,000,000バイト。

重要語句を整理しよう。

この教材で使う言葉
標本化連続した信号から、一定の時間間隔で値を取り出すこと。
標本化周波数1秒間に取り出す標本の数。単位はHz。
量子化取り出した値を、有限個の段階に対応させること。
量子化ビット数1つの標本を表すビット数。nビットなら符号は2のn乗種類。
符号化量子化した値などを、ビット列で表すこと。

代表3問の前に / 一緒に解く例題

本文の内容で、ひとつ確かめよう。

8,000 Hzのモノラル音声を8 bitで2秒記録すると、何バイト?

考える手順を見る
① 1秒に8,000個、2秒で16,000個の標本。
② 1個8 bitだから、16,000×8=128,000 bit。
③ 8で割って、16,000バイト。

本文の公式は「1個の量×個数」。何を数えているかを言葉でも説明してみましょう。

CHECK YOUR UNDERSTANDING

3問で、確かめよう。

基礎→標準→応用の代表3問。迷ったらヒントを開き、解いた後に図解で確かめましょう。

Q1 · 基礎アナログ信号をデジタルデータに変換する際、最初に行われる「サンプリング(標本化)」の動作として最も適当なものはどれか。

手順を確認

考え方のヒント

「時間を区切る」「値を段階にする」「0と1で表す」の違いを本文で確認しましょう。

▧ 図解で考え方を見る解答を含みます+

アプリ収録の解説図を加工せず掲載しています。文字が小さい場合はタップで拡大できます。

Q2 · 標準あるアナログ音声を、サンプリング周波数44.1kHz、量子化ビット数16ビット、ステレオ(2チャンネル)で10秒間サンプリングしてデジタルデータを作成した。このデータのサイズとして最も適切なものはどれか。なお、1MB=1,000kB、1kB=1,000Bとして計算し、圧縮は行わないものとする。

式に当てはめる

考え方のヒント

kHzをHzに直し、4つの条件を掛けてから8で割ります。

▧ 図解で考え方を見る解答を含みます+

アプリ収録の解説図を加工せず掲載しています。文字が小さい場合はタップで拡大できます。

Q3 · 応用音声のアナログデータをデジタル化する際、サンプリング周波数を 44.1kHz、量子化ビット数を 16ビット、ステレオ(2 チャンネル)で 1 分間録音した。このとき、生成されるデータの容量(圧縮なし)として最も近い値はどれか。なお、1MB = 1,000,000バイト として計算せよ。

時間と単位をそろえる

考え方のヒント

まず分を秒に直しましょう。計算結果をMBへ直すのは最後です。

▧ 図解で考え方を見る解答を含みます+

アプリ収録の解説図を加工せず掲載しています。文字が小さい場合はタップで拡大できます。

解答・解説だけ読む
問1:A

サンプリング(標本化)は、デジタル化のプロセスの第一段階であり、連続的なアナログ情報の変化を一定の時間間隔で区切り、その瞬間の値(標本値)を抽出する操作を指します。決められた段階値に割り当てる操作は「量子化」、2進法に変換する操作は「符号化」の説明であり、これら三つの手順を経てアナログデータはデジタルデータへと変換されます。冗長性を排除してファイルサイズを小さくする操作は「圧縮」に関する記述です。

問2:C

音声データのサイズは「サンプリング周波数 × 量子化ビット数 × チャンネル数 × 時間」で求められます。本問では、44,100 Hz × 16 ビット × 2 ch × 10 秒 = 14,112,000ビットとなります。これをバイトに変換すると、14,112,000 ÷ 8 = 1,764,000バイトです。問題の単位系に従いMBに直すと1.764 MB(または1,764 kB)となります。標本化(サンプリング)、量子化、符号化というデジタル化のプロセスが、どのようにデータ量に結びつくかを正確に把握することが重要です。

問3:D

音声データの容量は「サンプリング周波数 × 量子化ビット数 × チャンネル数 × 秒数 ÷ 8」で求めます。この問題では 44,100 × 16 × 2 × 60 ÷ 8 = 10,584,000 バイトとなり、1MB = 1,000,000 バイトなので約 10.6MB です。約 5.3MB はステレオの2チャンネル分を掛け忘れた値、約 84.7MB はビットをバイトに直す ÷ 8 を忘れた値です。ビットとバイトの取り違えが最も多い誤りなので注意しましょう。

YOUR NEXT STEP

次は、条件の違う問題へ。

理解したことを、別の問題でも確かめてみましょう。「情報1」アプリでは、分野別の演習や間違えた問題の復習ができます。

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説明できたら、この教材は完了。

  • 「いつ測るか」と「値の細かさ」を区別できる
  • kHz→Hz、分→秒の換算を先に行える
  • ステレオは2チャンネル、バイトへは÷8と説明できる

説明できない項目は、要点や例題に戻って確認しましょう。

出典・教材について

文部科学省「情報Ⅰ」教員研修用教材 第2章 ↗

代表問題3問と対応する解説図は、運営者の「情報1」アプリ収録教材から選んで掲載しています。共通テストの実際の問題の転載ではありません。本文にはアプリの単元図解と、具体例を追うためのWeb補助図を掲載しています。